おしらせ

゛東京の森”の資源の活用を考える「START UP CAMP 2015」レポート!

2015年10月3日(土)・4日(日)、東京の森・奥多摩で『START UP CAMP 2015』を開催しました。 『STAR UP CAMP 2015』は、東京の面積の約4割を占める“東京の森”の資源を活かしたビジネス・ライフスタイルについて考えるイベント。 全国各地の森と同様に、“東京の森”の資源を活かしていく仕事・活動に関わる人の数は減少し続けています。 そのような状況を改善していく取り組みとして、今後「森」に関わるビジネス・ライフスタイルに関心をお持ちの方に参加いただき、すでに“東京の森”の資源と自らのスキル・経験を活かした新たなビジネス・ライフスタイルにチャレンジしている方々と交流することで、小さなヒントを見つけてもらうお手伝いをさせていただきました。 以下、イベントの様子をご紹介していきます。  
【START UP CAMP 2015・1日目】 秋晴れの土曜日、奥多摩駅前。 今回のCAMP運営リーダー・菅原(以下、すがリーダー)から配られた、間伐材で作った名札にそれぞれ思い思いのニックネームを記入し、CAMPスタート! CAMP中は、お互いこのニックネームで呼び合います。 CAMP1   東京・森と市庭は、株主である山主さんより「森」の一部を出資いただいており、“東京の森”に社有林を保有しています。その社有林に移動し、まずは参加者同士の自己紹介。 今回のイベントには、学生・社会人、林業に近い方・遠い方など、年齢も背景も全く異なるメンバーが集まりました。 そんな中、全員の共通点は「森が好き!」「東京の森をなんとかしたい!」と思っていること。 なんだか、熱いイベントになりそうな予感... ツアー_3   自己紹介後は森の中に入り、すがリーダーより“東京の森”の現状を学びます。 向かって右は間伐(かんばつ)が行われている森、向かって左は間伐が行われていない森。 森の明るさがまったく違いますね。参加メンバーも明らかな違いに興味深々です。 ツアー_4 間伐とは、木の生長に伴い徐々に混みあってくる森の中から、曲がったり弱ったりしているスギやヒノキなどを伐採することで森の中を明るく保ち、木を真っ直ぐ大きく育てるために必要な作業。さらに、間伐を行わない森の中は暗いため木の下に草木が育たず、水源涵養力、土壌保全能力の低い森になってしまいます。 元気な木を育てるため、土砂崩れなどの自然災害を防ぐためにも、森ににとって間伐は大切な作業です。 また、森の中には間伐した木をそのまま森に放置する「切り捨て間伐」の様子も。 CAMP2 伐採して終わりと思われがちな林業ですが、伐採後山から木を搬出し、製材してはじめて木材となります。 日本の山は急峻なため、山から木を搬出するためには莫大なコストと手間がかかります。 そのため、山から搬出することは断念し、切り捨て間伐せざるを得ない状況なのです。 使えるはずの木材が放置されている現状。 山主さんが費用をかけて搬出間伐しても、その費用がまかなえるだけの適正価格で国産材が流通する市場にするため、東京・森と市庭は林業の六次産業化に取り組んでいます。   さて、森の現状と課題を感じていただいた後は、森のお楽しみ! さらに森を奥に進んでいくと・・ 奥多摩の名産「わさび」が育つ、わさび田に到着!江戸時代には幕府にも献上されていたそう。 水がきれいな場所でしか育たない、わさび。わさび田に流れ込む清流も冷たくてきれいです。 ここで、夕飯のバーベキュー用にわさび採り体験! 今回は、お誕生日が近い方が代表して収穫。私も含め、ほぼ全員がわさびの全貌を見るのは初めて。 収穫の瞬間には、想像より大きなワサビの姿に歓声が上がりました。 CAMP4 森の散策後は、昨年ワークショップで制作したツリーテラスの上で、ランチタイム。 はしごを登るのはちょっとしたアドベンチャーですが、ツリーテラスからの眺めは素晴らしく、空気の澄んだ森の中での食事は格別! ツアー_9   午後からは、現在木工房ようびさんによるリノベーション中の「東京 森のcory」に移動し、ワークショップ。 「東京 森のcory」は、東京・森と市庭の取り組みに共感していただいた地元の木工家の方からお借りしている施設。 東京の森でのみなさんとのコミュニケーションスペースとして、現在「コリフェス」というイベントを開催しています。   21751353309_d9eee6093c_z   今回のCAMPのテーマは、”森の資源を活かしたビジネス・ライフスタイル”。 すでに“東京の森”で起業されている方々に共通するのは、「森の資源」と「好きなこと・得意なこと」を結びつけてビジネスを立ち上げていること。 午前中に森の中で感じたことも思い出しながら、2人一組になり、「自分たちの得意(好き)なこと」をビジネスに結びつけるためのアイデアを出すワークショップ開始。みなさん、それぞれの方法でアイデアを出し合い、少しずつまとめていきます。 チームごとに考えたビジネス案を発表していただきましたが、なかなか斬新な意見がでていましたよ。 ツアー_10   その後、奥多摩湖を臨む、ゲストハウス「HIGURASHI」に移動し、“東京の森”ですでに起業している以下先輩方から、起業のきっかけ・プロセス・現状などについてお話しを伺いました。
・奥多摩フィールド内にあるカヌー工房「Mountscape canoe craft」代表・山崎氏 ・鹿肉加工施設 森林恵工房「峰」 管理者 酒井卓真氏 ・奥多摩町小河内という地域から奥多摩・西多摩を盛り上げたいと立ち上げた町おこし団体「Ogouchi Banban Company」島崎氏 ・ツリーテラスビルダー/ハンモックデザイナー 川越 錬氏
実際に経験している方から起業についてのお話しを聞き、日中各自で考えたアイデアがより深いものになったのではないでしょうか。 ツアー_16   ここで1日目終了!ということで、参加者全員でのバーベキュー! 参加者ほぼ全員が今回のイベントで一番楽しみにしていた「鹿肉」。 今回お話ししていただいた酒井さんが加工した鹿肉は、とても柔らかく好評で、ついついお酒も進みます(笑)。 東京の森で暮らす方、様々な背景を持つ参加者のみなさん、初対面とは思えないほど大いに盛り上がり、人と人がつながることで何か生まれる、そんなワクワクを感じた夜でした。 21750274508_a86b638820_h  
【START UP CAMP 2015・2日目】 2日目の朝。晴天! 奥多摩湖を見下ろす庭での朝食後、「HIGURASHI」のオーナー・まり子おばあちゃんと一緒に記念撮影。 このポーズは、「Ogouchi Banban Company」東京の森のアイドル・島崎勘くんが歌う、奥多摩町ご当地ソング『だべだべロック』の振付け、「山/川」のポーズ。奥多摩のちびっこたちはみんな歌って踊れるそうですよ。 ツアー_11   2日目は、奥多摩湖畔にある奥多摩フィールドでのワークショップ。 奥多摩フィールドは11年前に廃校となった小学校ですが、現在は東京・森と市庭が管理し、一般の方に撮影・ワークショップなどに活用いただいています。 21315447034_05a004741c_h まずは、本日の講師・カヌー職人の山崎さんの工房「Mountscape canoe craft」を見学。 カナディアンカヌーとの出会いから、事業化する事に到った経緯などのお話しを伺いました。 「Mountscape canoe craft」では、カヌー制作やパドル制作のワークショップ、カヌー体験なども随時開催されているので、ご興味のある方はぜひ。 21947878971_ccbb547e06_h ものづくりのお話しを聞いた後は、実際に自分の手で木片からカッティングボードのデザイン&制作に挑戦! 早速、各自木材を選んで制作開始。直接鉛筆でデザインを描き、カットしていきます。 みなさん世界にひとつだけの自分の作品を作るぞと、かなり凝ったデザインを考えていました。魚のかたちあり、校庭の葉っぱを写したかたちあり、個性豊かです。さて、時間内に完成なるか? 普段、製品でない木材に触れることのない方がほとんど。 山崎さんのレクチャーのもと、初めて触る本格的な機械に戸惑いながらも、だんだんカッティングボードのかたちになってきます。 ツアー_12 残念ながら、時間内には完成しませんでしたが、最後の仕上げは山崎さんにお手伝いいただき、世界で一つのオリジナルカッティングボード完成! 自宅に帰ってオリーブオイルでコーティングしたら出来上がりです。みなさんのお宅でチーズやお料理を盛りつけられて喜んでいるカッティングボード姿が目に浮かびます。 21947902501_213ac37ba4_h   続いて、今回のCAMP最後の「ビジネスプラン作成ワークショップ」。 せっかくなので、授業風に机を並べてみました。久々に味わう小学校の雰囲気に、テンションも上がります! 2日間で見て感じていただいた実際の森の状況や実際の起業事例などを参考に、「自分で今後“東京の森”起業するとしたら」という想定で、各自「ビジネスプラン」を作成していただきました。 教室・校庭、思い思いの場所で、ビジネスプランを練るみなさん。どんなプランが生まれるでしょうか? ツアー_14 音楽が好きな方は「森の中で音楽を楽しむ」プラン、苔が好きな方は「苔と森の資源を融合した」プラン、なんとか森を元気にしたいという方は、ご自分の現在のスキルを活かして「森の木材を都心で活用するプラン」や「東京の森に都心からたくさんの人を呼ぶ」プラン。 十人十色の「自分の好き・得意」を活かしたプランが生まれました。 どのプランもウキウキするプランばかりでした! ツアー_15   2日間という短い時間でしたが、みなさん積極的に“東京の森”の現状に触れ、これからの“東京の森”について考えていただきました。今回のCAMPは、みなさんが森に関わる「第一歩」。 都心に戻ってからの日々の生活の中で、今回考えたそれぞれのプランが少しずつ育っていき、“東京の森”で活躍する方が少しずつ増えていくことを願っています。 そして、私たちスタッフも今回のCAMPで参加者のみなさんからたくさんの元気をいただきました。参加いただき、本当にありがとうございました!   21750288108_8cc67bc425_h   “東京の森”の中で実際に活動する、都心の中で森の資源を活用するなど、『東京の森の資源の活用方法』はさまざま。 まずは、わたしたちの生活の身近にある“東京の森”のことを知ってもらい、そしてファンになってもらえるような活動を今後も行っていきますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。 “東京の森”でお待ちしています! 企業研修などのプランもございますので、ぜひこちらからお問い合わせください。   (平野)
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